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日本全国・都市3D化プロジェクト「PLATEAU」とデータ変換OSS「PLATEAU GIS Converter」の公開

  • トラック B

  • 16:35 - 17:30 (JST)

    • 発表言語: 日本語

PLATEAU GIS Converterは、国土交通省主導の日本全国3D都市モデル化プロジェクト「PLATEAU」のデータを様々なデータ形式に変換するオープンソースソフトウェアです。本トークでは、以下の点について詳しく解説します。

  • プロジェクトの背景と目的
    • PLATEAUプロジェクトの概要
      • 日本の3D都市データの作成とそのユースケースの実装を行うプロジェクト
      • ただの3Dデータではなく、現実世界の情報を反映させた「地理空間情報」
        • 建築年度・高度・土地利用分類など
      • 防災シミュレーションから、AR・VRや映像、ゲームなどのエンタメ分野まで幅広く活用される
    • データ変換ツールの必要性
      • 「都市機能を記述する」という目的から、仕様書は膨大になり、かつファイルサイズも巨大なものになる
      • 複雑な仕様を持つXML形式のため、一般ユーザーはそのままの利用が難しい
      • 変換には高価な有償ツールを利用する必要があった
  • Rustを選択した理由
    • 大規模データ処理におけるパフォーマンスの重要性
    • メモリ安全性とスレッド安全性の利点
    • 「クロスプラットフォーム」アプリケーションを容易に作成でき、TypeScriptでUIを構築できる「Tauri」の存在
  • 課題と解決策
    • Rustに精通するメンバーはいなかったため、短期でのキャッチアップが必要
    • 大部分のアルゴリズムをフルスクラッチで開発する必要がある
      • GIS(地理空間情報)を取り扱うためのクレートは存在するが、3次元の情報も合わせて取り扱うクレートは存在しない
      • XMLを解析するクレートは存在するが、CityGMLを解析するクレートは存在しない
      • プロジェクトで特に重要な「3D Tiles」の最新仕様を網羅したクレートも存在しない
      • テクスチャ最適化(アトラス化)を行うクレートも、利用しやすいものは存在しない
  • 技術的実装の詳細
    • CityGML形式の解析と処理
    • CityGMLのツリー構造を出力ファイル形式に応じて変換
    • 地物(属性情報を持つ図形)の座標変換処理
    • 多様な出力形式(GeoPackage、GeoJSON、MVT、3D Tilesなど)の実装
    • テクスチャの最適化
  • プロジェクトの成果と今後の展望
    • 継続して開発中
      • テクスチャの更なる最適化・高速化
      • 巨大データダウンロード負荷の軽減
      • 出力ファイル形式の追加
    • RustでのGIS × 3D分野への貢献

本トークを通じて、地理空間情報(GIS)・3Dデータ処理の分野におけるRustの活用・有効性などを示すとともに、オープンソースプロジェクトとしての取り組みについても共有します。

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プロフィール

Satoru Nishio

Satoru Nishio

"2児の父をしながら株式会社MIERUNEでGISとWeb開発を行う、Engineering Managerです! 以下のような事柄に興味があります! Python / Rust / GIS / 点群 / 3D Tiles / AWS / WebGL / PLATEAU ADVOCATE / Cesium Certified Developer"


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